2021年4月24日
販売開始!
若摘みシードル 高野りんごシードル4代目 !
(甘口・辛口・ロゼに続く)
「高野りんご 若摘みシードル」ができるまで
摘果直後は緑色
冷蔵庫内で5か月間保存後
ゴールデン色に
令和4年度秋、若摘みシードルの仕込みのため材料を福山市へ箱バンで運搬・納品に。
道中、車中はリンゴのこの上ない甘い香りが充満。
寒いので車窓はあまり開けられないし。リンゴ酔い❓がするほど。
この様な香りのするシードルに仕上げて欲しいと、香りをかいでもらい醸造のお願いを!
ゴールデンデリシャスという品種を使った、若摘みシードル用のリンゴ材料の紹介です。
およそ5か月前、小袋から大袋へ果実を保護する紙袋のかけかえ作業の時
丁寧に収穫をして加湿された4℃の果物用冷蔵庫内で、保存していました。
冷蔵庫内で熟したのか?
果実はとても綺麗な黄色に変化。枇杷の色の様でそして、ピカピカと輝いて。
食してみると、当然の事ながらゴールデンデリシャスの味がしている!
緑色をしている摘果時の採取直後が醸造時期だと、少々渋みの効いた味になりそうだけど。
この様な状態だと、どうだろうか?
シードルになって高野町に帰ってくるのは春が始まりかける来年4月頃。
どんな味になるのか、色んなりんご品種の親になってるゴールデンだから
美味しいシードルになるに間違いは、無い!
楽しみだ。雪解けの春が。
・ゴールデンデリシャス
(果汁7割)
この品種は、高野りんごの歴史が始まって以来栽培が続いている「高野りんご」の代名詞ともいえます。
りんごの新品種開発のために多くの品種の親になっていて、その特徴は極めて優良です。
高野町では数十種類のりんごが栽培をされていますが、「高野りんご若摘みシードル」を発売するにあたり
原料にするには、このゴールデンデリシャス以外には考えられない品種です。
栽培管理はとても手間がかかります。
袋掛けを2回時期を変えて行うことや、黄色い品種の上に収穫後早い時期に軟化するので生産も販売もとても気を使います。
ただ、とても綺麗で整ったりんごらしい形と、完熟の果実から放たれるその芳香は他の品種には無く、最大の魅力です。
7月中旬、実が大きくなるにつれて小袋が破れ始めます。
その時期大袋にかけ替えますが、その作業時に最終的な樹につけておく数に調整するため沢山の果実を摘果します。
今回はその時に丁寧に傷がつかないよう、一個一個収穫をしました。
食用(シードルの原料)とするので、その時期までは農薬使用基準も守り散布も適正に行いました。
・ふじ
(果汁3割)
最もメジャーな品種で、甘みと酸味が濃く硬さもありりんごと言えば「ふじ」とも言われています。
開花して受粉をして実を結んだ小さな果実にも、完熟した果実と同様に命がある。たくさん切り落とされて土にかえる果実のうち
少しでも活用できればりんごの意に沿えるのでは?
「もったいない精神」を念頭におき、自然から生み出される資源を大切にと
今回摘果リンゴを使った「若摘みシードル」に至りました。
数十年前は、摘果果実を砂糖で煮て食していたと、私の祖母から聞いたこともあり案す。
もともとシードル用の果実には、酸っぱかったり苦めの果実を利用していました。(昔のりんごは現代ほど美味しくは無かった)
現代の品種は甘いものが多くて苦みや渋みがの無いので、シードルの原料にするととても飲みやすい味に仕上がります。
今回はあえて、原料として摘果果実の持つ若干の渋みと酸味を加えました。
シードルの味に渋みや酸味が適度に加わり、これまでよりさらに清涼感も増し深い味わいになったと思います。
摘果果実と完熟果実の比率は大きなポイントになります。
飲みやすくそして清涼感もある味になるのではと、今回この割合で挑戦をしました!
シードルは
搾りたての生りんご果汁から
造られる 発泡酒
(スパークリングワイン)です。
名称について、各国でこのように呼ばれていますよ。
①フランス・・・・・・・・・・・シードル
②イギリスやニュージーランド・・サイダー
③スペイン・・・・・・・・・・・シドラー
④アメリカ・・・・・・・・・・・ハードサイダー
などなど
シードルの特徴。
①香りや味にりんご特有の風味がある事
②アルコール度数が他のお酒と比較し、若干低め
③りんごポリフエノールが含まれている
④ペクチン・水溶性の食物繊維が含まれている
⑤リンゴ酸が含まれている・・等。
(参考:日本シードルマスター協会より)
◆「甘口」と「辛口」に使う品種。
「ふじ」というりんご。
「ふじ」りんごは、材料として高野町に沢山あり準備しやすいことと、生食用にとても美味しく、日本でも最も知名度が高い事。特に高野りんごは、甘さも酸味も強いのが特徴です。その特徴がはっきりと現れています!
◆醸造時期
11月中旬になるとワイナリーでは、ぶどうワインづくりの時期が終了する頃です。その時期は「ふじ」りんごが美味しくなり収穫が最盛期を迎えます。ぶどうからりんごへと、仕込みの材料・果物が切り替わっていきます。
◆「ロゼ」に使う品種。
「レッドフイールド」・「紅の夢」という赤肉系のりんごを使用。(平成30年産)
赤果肉系のりんごから、その色彩を取り出します。さらに酸味のあるりんごからはブレンドすることで、仕上がったシードルの味を「きりっと」甘さを引きしめます。
◆毎年の味の変化が楽しみ
各品種のブレンドの割合などで、毎年微妙に味や色彩が変わりますが、それが果実酒の楽しみと面白さだと思います。 同じ品種でも、その年の気候により味にいくらかの変化があり、原料になるとお酒の味の変化を起こします。
◆作業風景
仕込みには丁寧な作業を心がけます。
一個一個を手で洗ったりんご果実から、打ち身や傷部分を包丁で切り取った後、圧搾機でゆっくりと絞ります。そして果汁が樽の中でゆっくり発酵し、シードルになります。りんごの持っている美味しさ・果肉が、アルコールや炭酸ガスに変わりますが、シードルの味を調えるために炭酸ガスや、発酵を促すための酵母などの添加をします。
製造の委託先の紹介
(広島県福山市霞町1-7-6)
広島県福山市で2016年夏の初醸造を目指し立ち上げた、街中の小さくてお洒落なワイナリー。
備後圏域のブドウでスパークリングワインを、専門に作ります。
ぶどうワインの仕込みが終わるころ、高野町ではりんご(ふじ)の収穫最盛期を迎えています。
ワイナリーでは、仕込む果物がブドウからりんごに変わり
私たちのふじりんごを使って、シードルを造り始めます。
高野町にはシードルを醸造する施設が、現在ありません。
尾道松江道の開通により、高野町(りんごの産地)と福山市(醸造施設)の
距離と時間もグッと縮まり、広島県内で美味しくそして素早く加工ができます。
◆出来上がりを楽しみにして、待つ心
甘口・辛口の違いは、発酵に要する日数です。辛口は発酵が長期間なため、果汁や繊維質などのビン底に沈殿する澱がほとんどなくなり透明度が高まります。また糖分がアルコールに変化していくので、アルコール度数がいくらか高めです。一方甘口は、発酵期間が短期間なので果汁・繊維質も残り、りんごの甘さ・香りもしっかり残っています。天候・気温の変化で発酵具合が変わり、仕込む冬の気候次第で出来上がる時期が変わります。